香港と深センの違い(30キロしか離れていないのにこんなにも違う)

Snowies

平成と令和をまたいだ2019年4月28日〜5月3日、香港と深圳を訪れました。香港と深圳は30キロしか離れていないものの、一国二制度による入境を隔てており、街並みや人々の雰囲気に驚くほどの差が感じられました。その差についてこの記事では詳しく述べていこうと思います。

外国人の割合

香港の街を歩いていると、様々な人種の人がいます。九龍公園の噴水付近に行くとインド人集団が爆音で音楽を流しながら踊っていたり、コンクリート舗装のネイザンロードを歩くとインドネシア女性の集団がレジャーシートを敷いてピクニックしていたりと、中々カオスでした。一番びっくりしたのは、重慶大厦に泊まる時に案内してくれた黒人男性が中国語ペラペラだったこと。妻は香港人らしいです。一方、深圳には驚くほど外国人がいません。2日間色んなところを巡りましたが、10数人くらいしか外国人を見かけませんでした。香港のグローバルな雰囲気と違い、深圳は正真正銘の「中華人民共和国」の世界。香港側から入境審査を経て初めて深圳側に入った時、その雰囲気の差を肌で感じました。

 

言語の違い

現地の人は、香港人は広東語で会話してるのに対して、深圳の人は中国中から人が集まっている新しい都市だけあり完全に北京語の世界です。

また香港は、1997年までイギリスの植民地であったことや、世界的な観光地であることもあり、中国語が話せなくても英語である程度現地の人とコミュニケーションができます。しかし、深圳ではびっくりするほど英語が通じません。観光客に配慮する香港とは違い深圳では相手が自分のことを当たり前に中国人と思ってバンバン話しかけてくるので、正直深圳を観光するなら最低限の中国語での意思疎通ができないと困る場面があります。

 

物価

コンビニのペットボトル飲料やタピオカに関して言うと、深圳は香港の6割程度の価格で購入できとてもお得でした。一方でマクドナルドやケンタッキーといったファーストフードチェーン店はあまり価格に差はありませんでしたが、メニューが違いました。また、香港でも深圳でも同じような質のホテルに泊まりましたが、香港のホテルは1泊1万円弱近くしたのに対し、深圳のホテルは1泊4000円弱でした。全体として、香港人の方が中国本土の人よりも所得水準が高いので、深圳の方が物価が安いです。飲み物など、深圳の方が明らかに安い商品に関しては、できるだけ香港では買わずに深圳でたくさん買うのが得策ではないかと思います。

 

共産党の標語のポスター

深圳では、街の所々で共産党の標語のポスターが見られます。一方香港では、共産党の標語のポスターは見られません。一国二制度による政治的な社会主義と民主主義の統治体制の違いが街中からも感じ取れます。ちなみに深圳では改革開放の象徴である鄧小平が街の父として称えられており、街で鄧小平の描かれたポスターを見かけました。

↑2019年5月3日、万象街にて撮影

インターネット

中国ではGoogleやLINEを始めとした外資系ネットサービスへの接続が遮断されることは有名です。当然、深圳ではこれら外資系ネットサービスへの接続は遮断されます。VPNによる迂回接続の方法もありますが、基本的には接続速度が遅すぎるので動画などを見るのは厳しいです。一方香港では、こうしたネットサービスへの接続が遮断されることはありません。そもそも、もし香港でネット接続が遮断されてしまったらFacebookやInstagramを日常的に使う欧米からの観光客が激減してしまいますからね。

 

通貨

香港は香港ドル、深圳は人民元です。香港では人民元でも支払いができる店があるようですが、深圳では香港ドルは使えません。実際、平安国際金融中心の展望台のチケットを買う際、香港ドルを出したら拒否されました。

 


まとめ

香港から深圳までは30キロ、電車で1時間ほどの距離であり、東京から横浜までの距離とほぼ同じであるほどの短距離でありながら、実際に2都市を訪れると30キロしか離れていないとは思えない差でびっくりしました。信じられない人は、香港と深圳の両方に実際に訪れてみてください。この記事で書かれてる以上にその差の大きさに驚くはずです。