ヒンディー語の文字(デーヴァナーガリー)がハングルに似ている理由

両方とも母音と子音のパーツの組み合わせで出来ている文字だから

一見デーヴァナーガリーもハングルも暗号に見える文字ですが、実は両方とも母音と子音のパーツの組み合わせで出来ており、それぞれの母音と子音のパーツはアルファベットに置き換えることができます。このため、デーヴァナーガリーとハングルは似ています。


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ナマステ」と「ハングル」を具体例に説明します。

 ナマステの場合、🇮🇳ヒンディー語の場合「नमस्ते」、🇰🇷韓国語の場合「나마스테」と表記します。この綴りだけでは意味不明ですが、それぞれのパーツをアルファベットで分解すると、両方とも母音と子音のパーツの組み合わせで出来ていることがよくわかります。

ナマステの場合(🇮🇳デーヴァナーガリー)

 🇮🇳デーヴァナーガリーの場合、
「na」=「न」
「ma」=「म」
「s」=「 स्」
「te」=「ते」
です。

「na」「ma」の場合、「a」の部分は横線の下の右側に縦の棒「ा」を書いて表し、「ा」の左側に子音のパーツがそれぞれくっついています。

また、「te」の場合、「e」の部分は横線の上に「ेे」を書いて表し、横線の下に子音のパーツ「त्」がくっついています。

※ちなみに、全体を貫く横線に母音・子音上の意味はありません。

ナマステの場合(🇰🇷ハングル)

 🇰🇷ハングルの場合、
「na」=「나」
「ma」=「마」
「s」=「ᄉ」
「te」=「

です。


「na」「ma」の場合、「a」の部分は右側に「ㅏ」を書いて表し、「ㅏ」の左側に子音のパーツ「ㄴ」(n)「ㅁ」(m)がそれぞれくっついています。

また、「te」の場合、「e」の部分は右側に「ㅔ」を書いて表し、「ㅔ」の左側に子音のパーツ「ㅌ」(t)がくっついています。

 


次に、「ハングル」の場合、ヒンディー語だと「हानगुल」、韓国語だと「한글」と表記します。それぞれのパーツをアルファベットで分解します。

ハングルの場合(🇮🇳デーヴァナーガリー)

 🇮🇳デーヴァナーガリーの場合、
「ha」=「हा​」
「n」=「न्」
「gu」=「 गु」
「l」=「ल्」
です。

「ha」の場合、「a」の部分は横線の下の右側に縦の棒「ा」を書いて表し、「ा」の左側に子音のパーツ「ह्」がくっついています。

また、「gu」の場合、「u」の部分は横線の下に「ु」を書いて表し、「ु」の上、横線の下に子音のパーツ「ग्」がくっついています。

ハングルの場合(🇰🇷ハングル)

 🇰🇷ハングルの場合、
「han」=「

「gul」=「

です。


「han」の場合、「a」の部分は右側に「ㅏ」を書いて表し、「ㅏ」の左側に子音のパーツ「ᄒ」(h)がくっつき、さらにその「하」の下に子音のパーツ「ᄂ」(n)がくっついています。

また、「gul」の場合、「u」の部分は下側に「ㅡ」を書いて表し、「ㅡ」の上側に子音のパーツ「ㄱ」(g)がくっつき、さらにその「그」の下に子音のパーツ「ㄹ」(n)がくっついています。


このように、デーヴァナーガリーとハングルは母音と子音を重ねて単語を形作るため、言い換えれば全てのヒンディー語の単語と韓国語の単語は母音と子音のパーツに分解できます。また、それぞれの母音と子音のパーツは全てアルファベットに対応しているので、デーヴァナーガリとハングルそれぞれの母音と子音のパーツがどのアルファベットと対応しているかを覚えれば、ヒンディー語の単語と韓国語の単語学習は難しくありません。

母音と子音のパーツの組み合わせで出来ているアラビア文字が、デーヴァナーガリーとハングルほど共通性がない理由

 ちなみに、🇸🇦アラビア語で使われるアラビア文字も母音と子音の組み合わせでできています。ただし、アラビア語では母音を省略して単語を形作ることが多く、アラビア文字での表記と実際の発音に乖離があることが多いです。また、アラビア文字は文頭、文中、文末のどれかに置かれるかでそれぞれ綴りが異なります。この母音の省略と文頭、文中、文末での綴りの違いはデーヴァナーガリーとハングルには見られないため、アラビア文字にはデーヴァナーガリーとハングルほどの共通性はないと言えます。