Snowies
「中国語は日本語と同じく漢字を使う言語だから、簡単なのではないか?」
「ハングルは暗号みたいで訳がわからないから、韓国語の方が難しいのではないか?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際には日本語話者にとって中国語の方が韓国語よりずっと難しいです。その理由を説明します。
①文章が発音できるようになるまでに中国語の方が韓国語より時間がかかるから
実は韓国語で使われる文字のハングルは、一つ一つのパーツを全てアルファベットに置き換えることができます。このため、ハングルの10種類の基本母音と14種類の基本子音さえ覚えれば、一部の不規則な読み方を除き韓国語の文章は発音できるようになります。一方、中国語では何千もの漢字一つ一つの発音(ピンイン)を全て覚えないと文章の発音ができません。文章の中で一つでも知らないピンインの漢字があると文章を発音する時に詰まってしまいます。このため、文章をすらすら発音できるようになるまでには中国語の方が韓国語よりも圧倒的に時間がかかります。個人的な体感上、韓国語はハングル検定5級レベルさえあれば文章を発音するのには問題がないのに対し、中国語の場合は中国語検定3級レベルでも文章を読んでて発音できない漢字が沢山でてくる印象です。 もちろん、韓国語も中国語も文章の発音だけでなく意味も理解するとなると話が全く変わり膨大な時間がかかります。しかし、意味が分からずとも文章が発音できるかどうかの差は心理的にかなり大きいです。中国語の場合、文章がすぐには発音できるようにならないことが学習を難しくさせている一つの要因と言えます。
②中国語の方が韓国語よりリスニングが難しいから
韓国語にも中国語にも日本語にはない発音があります。韓国語の場合は濃音やパッチム、中国語の場合は四声による声調変化などです。韓国語の場合、日本語にある発音だけで棒読みしたとしても、なんとか韓国人に伝わることが多いです。しかし中国語の場合は声調変化があるので、日本語にある発音だけでは中国人に伝わりません。この違いはリスニングになると顕著な違いを表します。なぜなら、自分が正確に発音できる音しかリスニングでは聞き取れないからです。韓国語でもパッチムの流音化など、 日本語にない音・リズムは聞き取りが困難な時があります。しかし、常に声調のリズム変化によって文章が発音される中国語の聞き取りは、想像を遥かに上回る難易度です。
中国語のリスニングが難しい理由には、音やリズムを聞き取るのが難しい以外にも、日本語と文法や語順が大きく違うことが挙げられます。言語的な発想が離れており、中国語特有の文章構築システムに頭のスイッチを切り替えないときちんと意味を聞き取れないため、リスニングの上で土台となる文法知識がないといけません。これがさらに中国語のリスニングを難しくさせています。
③韓国語は日本語と文法が非常に似ているが、中国語は日本語と文法がかなり異なるから
韓国語は日本語と語順が一緒で、文法も非常に類似しています。このため、日本語を韓国語に翻訳する時は、日本語で思いついたことをそのまま逐語訳すれば問題なく文章が出来上がることが多いです。対して中国語は、日本語と語順・文法がまるっきり異なります。このため簡単な日常会話程度の文章でも、語順・文法上の差異から中国語でどう言えばいいのか分からないことがよくあります。 この違いに慣れるまでには、膨大な練習時間を要します。